STORY
今明らかになる
ノートルダム大聖堂炎上――
「ノートル(我々の)・ダム(聖母)」という名が示す通り、その存在は宗教や国境さえ超えて、人々に愛され、人々を見守ってきた。
その大聖堂が、炎に包まれ、崩れ落ちようとしている。
大聖堂崩落の危機が迫る中、それでも消防士たちは大聖堂も、聖遺物も、自分たちの命も、どれも諦めない。
決死の突入を試みる勇敢な消防士たちの姿…「死者ゼロ」の嘘のような衝撃の真実が今、明らかになる。
INTRODUCTION
98%再現!!
奇跡を目撃する。
膨大な資料調査とインタビューを行い、SNSで呼びかけて集めた当時の動画や写真を使用することで、実際の火災の様子やマクロン大統領の姿が随所に織り込まれている。それによって、映像の緊張感と信憑性は格段に高まり、当時の張り詰めた現場に立ち会っているかのようだ。
さらに、Dolby Atmosの技術を用い、徹底したこだわりで録音された現場の音声にも 驚かされる。弾ける火、流れる水、そして消防士の息遣いまで精緻にとらえ、まるで自分も消防隊の一員になったかのような没入感を生んでいる。
しかし監督が「映画の目的は、大聖堂で大火災が発生した原因を追究することではなく、どのように大聖堂が救出されたのかを描くことにある」と語るとおり、その立役者は、驚異的な勇敢さと偉業にもかかわらず無名のままでいることを望んだ、消防士たちだ。このヒーローたちのドラマと現実とは思えないスリリングなストーリーは、最高の映像技術が融合し、本作を白熱のエンターテイメントへと昇華した。
EPISODE
また監督は【ノートルダム大聖堂の構想・彫刻・建築が行われた場所で撮ること=この映画の精神】としてフランスで撮影することにこだわっていたというが、25〜30mという巨大なセットが十分入り、かつ完全に燃やされることになるこのプロジェクトに適したスタジオはひとつもなかった。そのためサン=ドニにある2つのスタジオで撮影された。ノートルダムの象徴的な尖塔とドーム型天井が崩れ落ちるシーン、初動の6人の消防士が到達する北側翼廊通路火災シーンを実物大のセットを作り撮影している。
スタジオには、ジャン=ピエール・ジュネやベルナルド・ベルトリッチ、ロマン・ポランスキーらの作品に携わってきたプロダクションデザイナー・ジャン・ラバスをはじめとした、経験豊富なスタッフが揃っていた。「まずスタジオの中のフロア全体にプロダクションオフィスを設け、スケッチ、縮尺模型、3Dモデルなどを作りました。組み立てて遊ぶ段ボールや木製のおもちゃのような、ノートルダム大聖堂と鐘楼の縮小レプリカを複数用意しました。本物の設計図に従って作ったため、一つひとつの作成に数週間かかりましたが、これがあったために早い段階からカメラアングルや役者の配置、火を付ける場所、どうやってそこまで消火用の水や様々な安全装置を運ぶか、どこに非常出口を設置するかなどを想定することができました。緻密な準備作業のおかげで、実際に大聖堂やセットで撮影する時かなりの時間を節約することができました。
この緻密な制作準備の間、それぞれの作業場で家具職人、左官職人、鉄工職人、ガラス職人、画家など、情熱を持った職人たちが喜びと誇りを持って仕事に取り組んでいる姿を見てとても嬉しかったです。彼らはみな、それぞれの専門分野では真のエキスパートですが、ゴシック様式の柱やアーチ型天井を作る機会などは滅多にないため、壁や像の風合いなど、複製するためのインスピレーションを得られるようにと、セットデザインのスタッフたちを何ヵ所か本物の大聖堂に連れて行きました。また、火事の熱で溶解し、屋根から地面や消防士のヘルメットに滴り落ちる鉛を再現する正しい方法を見つけるための実験も何度か行いました。私はこのクルー全員の熱意に支えられたのです」さらに、本作は全編IMAXカメラで撮影されており、監督はIMAX撮影にこだわった。 「IMAXで本格的劇映画を最初に撮影したのは私です。『愛と勇気の翼』(1995)という映画でしたが、当時IMAXの本社に行き、役者を使ってIMAXで映画を作る事が出来る事を説得しました。それ以降IMAXは自分の人生の一部になっています。子供の頃から大きなスクリーンで見応えのある映画が好きで、IMAXは没入させてくれるし、最も素晴らしい映画体験の一つを提供してくれます」とIMAXへの熱い気持ちを語る。
綿密な調査と経験豊かなスタッフたちの職人魂、そして巨匠・ジャン=ジャック・アノー監督の79歳にして衰えない映画への飽くなき熱意によって、この奇跡のような映画が誕生した。COMMENT
五十音順・敬称略
(フリーアナウンサー・女優)
(映画ジャーナリスト)
(慶應義塾大学教授)
(ゲームクリエイター)
(上智大学教授)
(一般社団法人 日本防災教育訓練センター 代表理事/本作字幕監修)
(放送プロデューサー)