STORY

「死者ゼロ」の奇跡。
“嘘のような衝撃の真実”が
今明らかになる
2019年4月15日、
ノートルダム大聖堂炎上――
フランス・パリの街に794年前に建造され、ゴシック建築の最高峰として名高い、世界遺産・ノートルダム大聖堂。
「ノートル(我々の)・ダム(聖母)」という名が示す通り、その存在は宗教や国境さえ超えて、人々に愛され、人々を見守ってきた。
その大聖堂が、炎に包まれ、崩れ落ちようとしている。
大聖堂崩落の危機が迫る中、それでも消防士たちは大聖堂も、聖遺物も、自分たちの命も、どれも諦めない。
決死の突入を試みる勇敢な消防士たちの姿…「死者ゼロ」の嘘のような衝撃の真実が今、明らかになる。

INTRODUCTION

驚異の
98%再現!!
我々はスクリーンの前で
奇跡を目撃する。
『愛人/ラマン』『セブン・イヤーズ ・イン・チベット』の巨匠、ジャン=ジャック・アノー監督の元にフランス最高峰の技術者が集い、大規模なセットを炎上させての撮影とVFXの融合で、驚愕の迫真性と映像美を見せる。
膨大な資料調査とインタビューを行い、SNSで呼びかけて集めた当時の動画や写真を使用することで、実際の火災の様子やマクロン大統領の姿が随所に織り込まれている。それによって、映像の緊張感と信憑性は格段に高まり、当時の張り詰めた現場に立ち会っているかのようだ。
さらに、Dolby Atmosの技術を用い、徹底したこだわりで録音された現場の音声にも 驚かされる。弾ける火、流れる水、そして消防士の息遣いまで精緻にとらえ、まるで自分も消防隊の一員になったかのような没入感を生んでいる。
しかし監督が「映画の目的は、大聖堂で大火災が発生した原因を追究することではなく、どのように大聖堂が救出されたのかを描くことにある」と語るとおり、その立役者は、驚異的な勇敢さと偉業にもかかわらず無名のままでいることを望んだ、消防士たちだ。このヒーローたちのドラマと現実とは思えないスリリングなストーリーは、最高の映像技術が融合し、本作を白熱のエンターテイメントへと昇華した。

EPISODE

巨匠・ジャン=ジャック・アノーが語る撮影エピソード
その驚愕の裏側とは?
本作の撮影は、実際に大聖堂の内部で撮影できたシーンとスタジオに大聖堂を模したセットを作り上げたシーンとで構成されている。ジャン=ジャック・アノー監督は「大聖堂の内部はいたる所に鉛があり、崩壊の危険性があるため立ち入り禁止のままになっていました。スタジオに複製のセットを建てました。セットに火を付ける時は何百もの調節可能なノズルから炎を出して撮影しました。身廊の大部分、螺旋階段、屋外の通路、北側翼廊の梁、それからクライマックスに登場する巨大な鐘楼の内部も、実物大のセットを作りました。つまり、火災で最もダメージを受けたノートルダム大聖堂の象徴的な部分を複製し、それらの火事の前と炎上中の姿を何としても見せたかったのです」と語る。

また監督は【ノートルダム大聖堂の構想・彫刻・建築が行われた場所で撮ること=この映画の精神】としてフランスで撮影することにこだわっていたというが、25〜30mという巨大なセットが十分入り、かつ完全に燃やされることになるこのプロジェクトに適したスタジオはひとつもなかった。そのためサン=ドニにある2つのスタジオで撮影された。ノートルダムの象徴的な尖塔とドーム型天井が崩れ落ちるシーン、初動の6人の消防士が到達する北側翼廊通路火災シーンを実物大のセットを作り撮影している。

スタジオには、ジャン=ピエール・ジュネやベルナルド・ベルトリッチ、ロマン・ポランスキーらの作品に携わってきたプロダクションデザイナー・ジャン・ラバスをはじめとした、経験豊富なスタッフが揃っていた。

「まずスタジオの中のフロア全体にプロダクションオフィスを設け、スケッチ、縮尺模型、3Dモデルなどを作りました。組み立てて遊ぶ段ボールや木製のおもちゃのような、ノートルダム大聖堂と鐘楼の縮小レプリカを複数用意しました。本物の設計図に従って作ったため、一つひとつの作成に数週間かかりましたが、これがあったために早い段階からカメラアングルや役者の配置、火を付ける場所、どうやってそこまで消火用の水や様々な安全装置を運ぶか、どこに非常出口を設置するかなどを想定することができました。緻密な準備作業のおかげで、実際に大聖堂やセットで撮影する時かなりの時間を節約することができました。

この緻密な制作準備の間、それぞれの作業場で家具職人、左官職人、鉄工職人、ガラス職人、画家など、情熱を持った職人たちが喜びと誇りを持って仕事に取り組んでいる姿を見てとても嬉しかったです。彼らはみな、それぞれの専門分野では真のエキスパートですが、ゴシック様式の柱やアーチ型天井を作る機会などは滅多にないため、壁や像の風合いなど、複製するためのインスピレーションを得られるようにと、セットデザインのスタッフたちを何ヵ所か本物の大聖堂に連れて行きました。また、火事の熱で溶解し、屋根から地面や消防士のヘルメットに滴り落ちる鉛を再現する正しい方法を見つけるための実験も何度か行いました。私はこのクルー全員の熱意に支えられたのです」

さらに、本作は全編IMAXカメラで撮影されており、監督はIMAX撮影にこだわった。 「IMAXで本格的劇映画を最初に撮影したのは私です。『愛と勇気の翼』(1995)という映画でしたが、当時IMAXの本社に行き、役者を使ってIMAXで映画を作る事が出来る事を説得しました。それ以降IMAXは自分の人生の一部になっています。子供の頃から大きなスクリーンで見応えのある映画が好きで、IMAXは没入させてくれるし、最も素晴らしい映画体験の一つを提供してくれます」とIMAXへの熱い気持ちを語る。

綿密な調査と経験豊かなスタッフたちの職人魂、そして巨匠・ジャン=ジャック・アノー監督の79歳にして衰えない映画への飽くなき熱意によって、この奇跡のような映画が誕生した。

COMMENT

五十音順・敬称略

圧倒的なリアリティに身体は釘付けになった。映画を観てこんな気持ちにさせられたのは初めてだ。 取り返しのつかない「事実」を目前にした底知れない恐怖、その事実の重さと深さを否応なく体感させられた。
上田義彦(写真家)
炎の熱まで伝わってくる大迫力の映像! あまりの臨場感に何度も息を呑んだ。 小さな油断と不運の積み重ねの果て、 歴史的文化財を燃やしたのも人なら、 それを救わんと命をかけて戦ったのもまた人で、 その勇敢さと人々の祈りに胸打たれた。
宇垣美里
(フリーアナウンサー・女優)
本物と見紛う驚愕の映像再現性。 リアルタイム進行がもたらす没入感。 クライマックスのパリ市民による祈りと「アヴェ・マリア」の合唱に、 自分も参加しているような気持ちになった。
宇野維正
(映画ジャーナリスト)
ノートルダム大聖堂の火災は、フランスの人々の目に、長い歴史をもつフランスの精神そのものが焼き尽くされていくように映った。消防士たちは、現代に残された聖なる建築を守ると同時に、フランス人の心の拠り所を守ったのである。
國枝孝弘
(慶應義塾大学教授)
本作は、“ウソのようだが、すべて実話だ“ で始まる。ジャン=ジャック・アノー監督は、“ノートルダム大聖堂の火災”の映像化に際し、ドキュメンタリーの”鬼火“ではなく、実話をベースにしたエンタメの“熱火”を選んだ。“文化財を救う”為に自らの命を投げ打つ消防士達の勇姿を、ハリウッド的な構成、演出、大仰な音楽挿入というディザスター映画で再現した。「タワーリング・インフルノ」や「バックドラフト」を思わせるこの映画は、観客達の史実への無関心に火をつけ、炎上させる。これは賢い“火”の取り扱い方だ。
小島秀夫
(ゲームクリエイター)
その熱さ、狭さ、息苦しさ、そして消防士たちの使命感…。 超クリアな映像と、息もつかせぬテンポで 現場に放り込まれたような臨場体験に! 国家的遺産の知られざる事実、人々の深いリスペクトが 他の映画とはまったく違う感動を導くことだろう。
斉藤博昭(映画ライター)
大聖堂存続の歴史を支える柱となった、火災の鎮火に奮闘した消防士たち。映画では、現実の映像と撮影映像とを組み合わせた構成は臨場感あふれた画面を生み出していた。また彼らの聖遺物救出劇は、大聖堂が決してモノとしての建造物だけで完成するのではなく、そこに「魂」をを込める必要があることを我々に教えてくれている。
坂野正則
(上智大学教授)
世界中の消防士達が学ぶことができる、臨機応変な消防戦術が描かれている。パリ市消防局の消防士達に心から敬意を表し、我々、日本の消防関係者も重要文化財の火災予防や消防戦術について、より一層の訓練を定期的に行って、彼たちが体験した悲しみの体験をお借りし、生かして、還すことを実践していきたいと強く感じる。
サニー カミヤ
(一般社団法人 日本防災教育訓練センター 代表理事/本作字幕監修)
炎の大聖堂 こんなことが起きていたんだ、、、 あの歴史に残る大火事の裏で起きていた真実の物語に、胸熱くなり、涙がこぼれました。 希望の涙が流せる映画はなかなかない。
鈴木おさむ(放送作家)
まさに煙のあるところには火がある。スリルと教訓を学ぶ映画。 記憶に新しいだけに衝撃だったニュースは明確に覚えているが、 中の様子がほとんど伝わらなかったので非常に興味深い。 沖縄の首里城もあったように対岸の火事ではない。 どの国にも起こりえる惨事で老化している世界遺産や保存建築が心配。 『ノートルダム 炎の大聖堂』はエンターテインメントとして楽しめながら重要なことも知れ参考になる。 実写と再現の折り合いが見事。 防火の意識があってもいざとなると予測しないトラブルが続々。 作品として「ノートルダム 炎の大聖堂」は大成功 ノートルダムの炎のように頭から中々消えない映画!
デーブ・スペクター
(放送プロデューサー)
どこまでが映画で、どこまでが現実なのか。 区別がつかない映像の練り込みと過剰なドラマ性の排除により、 あの場で一体何が起きていたのかを明確にする。 その臨場感は、熱すら感じる現場に、観客を連れていく。
中井圭(映画解説者)
ドキュメンタリーのようなリアリティでありながら、ほとんど宗教的な試煉のように描かれた消火活動。主人公を一人に定めない視点が、ノートル・ダム寺院そのものの存在を内から、外から多角的に描き出している。歴史を描いた映画として、末永く見続けられるであろう作品。
平野啓一郎(小説家)
何だこれ。衝撃とかじゃ足りない。壮大なゴシックのような映画。でもリアル。実は既成のドラマを破壊している。まさかドキュメンタリーじゃないよねと言いたくなる。ジャン=ジャック・アノーはやっぱりすごい。
森達也(映画監督・作家)